岐阜市の社会保険労務士 森川相談事務所

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解雇

解雇とは、労働契約を将来に向かって解約する使用者の一方的な意思表示による労働契約の解消のことを言います。

一定の期間又は一定の事業完了に必要な期間までを契約期間とする労働契約(有期契約)は、
他に特段の事情がない限り、契約期間が満了した場合は、使用者の解約の意思表示がなくとも自動的に契約終了となり、
解雇の問題は生じません。(ただし、有期契約が何度も更新されており、相当長期間にわたって労働契約が継続しており
、実質的には期間の定めがない労働契約と認められる場合は、解雇に関する規定が適用されます。)

 

労働基準法第20条において、「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては少なくとも30日前にその予告をしなければならい。
30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない」とされています。

 

例えば、7月31日を契約の終了日として解雇予告をするとします。

この場合、

①30日前である7月1日に解雇予告をした場合は、解雇予告手当の支払いはありません。

②7月15日に予告をした場合は、14日分以上の解雇予告手当を支払う必要があります。

(7月15日から契約終了日まで16日間あるので、30日に足りない14日分以上の支払いが必要となります。)

③7月31日に即日解雇(「本日をもって契約を終了します」等)を言い渡した場合は、30日分以上の解雇予告手当を支払う必要があります。

もし30日前の解雇予告をせず即時解雇をする場合は、使用者は解雇と同時に解雇予告手当を支払う必要があり、
支払いがない場合はその即時解雇は無効となります。

 

また、労働契約法第16条では、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、
その権利を濫用したものとして、無効とすると定めています。使用者が労働者を解雇するには、合理的な理由が必要で、
かつ、解雇をすることが社会一般的に相当な処置と認められなければ、使用者の権利濫用とされます。


この客観的合理的理由というものが認められる余地はかなり狭く考えられており、
一般的な感覚で解雇はやむを得ないと感じることであっても、使用者側が解雇を回避する努力をしなかった等の理由を挙げ、
解雇を無効と判断した判例も見られます。また、仮に解雇が無効であると判決が確定すれば、解雇期間中の賃金の支払いを命じられることになり、
使用者側の解雇における係争のリスクは非常に高いものであると考えられます。
 

リストラ等の整理解雇以外の解雇は、元を考えると、採用のミスや教育の至らなさにあるとも言えます。
何事もそうですが、円滑な事業継続のためには入り口と出口の強化は常に考えなければなりません。

2019年07月25日 16:21

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