岐阜市の社会保険労務士 森川相談事務所

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【岐阜県】小規模事業者パワーアップ応援補助金

岐阜県より、タイトル補助金の公募開始のお知らせがございました。下記概要をアップします。
ご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
 

1 補助対象者

 県内に主たる事務所を有する小規模事業者


2 補助対象事業

 売り上げ・利益増加につながる企業力の強化に向けた事業転換や事業規模拡大などに取り組む事業

  (想定する事業の一例)

  • 原材料の生産を内製化し、外注費削減による利益増加を図る
  • 新商品の開発により、売り上げ増加を図る

3 補助率

 一般枠 :補助対象経費の2分の1以内

 賃上げ枠:補助対象経費の3分の2以内


4 補助上限額等

 補助上限額:2,500千円(補助下限額:500千円)


5 募集・採択等について

 <募集期間>
 令和6年4月10日(水曜日)から令和6年5月17日(金曜日)
 ※事業支援確認書(商工会・商工会議所が発行)の受付締切日:令和6年5月10日(金曜日) 

<募集要件ほか>
 募集要件や採択等の事業の詳細については、以下のホームページでご確認ください。※4月10日(水曜日)正午頃更新予定

2024年04月05日 16:01

【岐阜労働局】技能実習 監督結果

 労働新聞によると、岐阜労働局が平成30年に外国人技能実習生を雇用している事業場へ実施した監督指導結果および書類送検状況を公表した。
 送検は7件で、全国(19件)の約4割を占めている。

 
 監督指導は363事業場に実施し、71.6%に当たる363事業場で労働基準関係法令の違反が発覚している。
 主な違反事項は、違反率が高いものから順に労働時間(24.8%)、使用する機械に対して講ずべき措置などの安全基準(19.8%)、割増賃金の支払い(19.6%)など。

 監督指導対象事業場は、技能実習生の増加を理由に増加傾向にある。26年以降事業場数は、145、198、213、226、363と右肩上がりに増えている。

 
 送検した7件はすべて縫製業が対象だった。
 たとえば関労基署は、総額1000万円以上の賃金を支払わなかったシノダソーイング㈲を処分している。
 同社内では多額の使途不明金が認められた。同労基署は不払いの理由はこの使途不明金にあるとみている。

 大垣労基署は、中国人技能実習生に違法な時間外労働をさせたうえ、賃金と労働時間に関する記録を廃棄し保存しなかったとして、
 ㈱CLUSTERを書類送検した。

 
 近年、事業主の意識の改革もあり、賃金関係の違反は少なくなってきているように感じます。
 しかしながら、長時間の労働を減らすことはまだまだ難しいのが現状のようです。
 労働時間を減らしながら、売上を確保するのは困難を伴いますが、働き方改革という名の下、時代の要請となってきています。
 上流取引先との価格交渉、生産性向上、助成金や補助金を活用した生産設備の更新など、
 何らかの改善に取り組んでいかなければ、事業継続が難しくなってくるのではないでしょうか。

2019年11月20日 12:33

最低賃金制度

令和元年10月より、全国の最低賃金が引き上げとなります。

 

最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき、国が賃金の最低限度を定め、会社は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。

仮に最低賃金より低い賃金を、労働者との合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとされます。
したがって、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を遡及して支払わなくてはなりません。
また、地域別最低賃金以上の賃金額を支払わない場合には、50万円以下の罰金(最低賃金法の罰則)が定められ、
特定(産業別)最低賃金以上の賃金を支払わない場合には、30万円以下の罰金(労働基準法の罰則)が定められています。

 

最低賃金には、地域別最低賃金と特定最低賃金の2種類があります。

①地域別最低賃金

地域別最低賃金は、産業や職種に関わりなく、都道府県内の事業場で働く全ての労働者に対して適用される最低賃金として、
各都道府県に1つずつ、全部で47件の最低賃金が定められています。常用・臨時・派遣・パート・アルバイト等の就労形態は問いません。
労働者であれば年金受給者等であっても適用されます。※派遣労働者については、派遣先の地域(特定)最低賃金が適用されます。

 

②特定最低賃金

特定最低賃金は、特定の産業について設定されている最低賃金です。特定地域内の特定の産業の基幹的労働者に適用されます
(18歳未満又は65歳以上の方、雇入れ後一定期間未満で技能習得中の方、その他該当産業に特有の軽易な業務に従事する方等には適用されません)。

 

なお、一般の労働者より著しく労働能力が低い等の場合に、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭める恐れなどがあるため、
次の労働者については、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として、個別に最低賃金の減額の特例が認められています。

 (1) 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い方

 (2) 試の使用期間中の方

 (3) 基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方のうち厚生労働省で定める方

 (4) 軽易な業務に従事する方

 (5) 断続的労働に従事する方

 

最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金の、通常の労働時間、労働日に対応する賃金に限られます。
具体的には、実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。

 (1) 臨時に支払われる賃金(結婚手当等)

 (2) 1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)

 (3) 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金等)

 (4) 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金等)

 (5) 深夜労働に対する割増賃金

 (6) 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

以上の(1)~(6)を除いた賃金額が、最低賃金額以上でなければなりません。
また、基本給以外に職務手当や能力手当等が支払われている場合は、最低賃金の対象となります。

 

支払われる賃金が最低賃金額以上となっているかを調べるには、最低賃金の対象となる賃金額と、適用される最低賃金額を以下の方法で比較します。

(1)時間給制の場合

 時間給≧最低賃金額(時間給) 

(2)日給制の場合

  日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間給)

だだし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、

  日給≧最低賃金額(日額)

(3)月給制の場合

 月給÷1カ月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

(4)出来高払制その他請負制によって定められた賃金の場合

 出来高払制その他請負制によって計算された賃金の総額を、当該賃金計算期間に出来高払制その他請負制によって労働した総労働時間数で除した金額≧最低賃金額(時間額)

(5)上記(1)~(4)の組み合わせの場合

  例えば、基本給が日給制、各手当(職務手当等)が月給制の場合は、上記(2)、(3)の式により時間額に換算し、合計したもの≧最低賃金額(時間額)

 

各都道府県ごとの最低賃金額は、下記の厚生労働省のページより確認することができます。

地域別最低賃金の全国一覧|厚生労働省

 

御社で支払われている賃金が、最低賃金額以上であるかどうか、今一度ご確認下さい。

2019年09月27日 10:22

退職勧奨

退職勧奨とは、会社側から従業員に対して退職を促し、従業員自らが退職を選択する形になるよう、「肩たたき」をすることです。
会社側から一方的・強制的に退職を言い渡す「解雇」とは違い、社員の了解を得た上での退職となります。
退職の最終的判断は従業員がすることになるので、解雇とは別物であり、また、退職勧奨を受けた従業員が必ず退職に応じる必要もありません。

 

会社の経営悪化、従業員の能力不足、在職している事による他の従業員への影響(協調性に欠ける、パワハラ行為がある)等、
会社を存続させていく上で、従業員の雇用を継続していく事が困難と会社側から判断し、退職勧奨に至るケースが想定されます。

 

退職勧奨は、従業員を退職させる強制力を持っているわけではないので、会社が退職勧奨をすること事態に違法性はありません。
しかし、退職勧奨が脅迫行為と判断され、損害賠償請求の対象となった事案もあります。

 

下関商業高校事件(最高裁判所第1小法廷 昭和55年7月10日)では、市教育委員会Aが、退職勧奨に応じないXらに対し、
3~4ヵ月の間に11~13回の出頭を命じ退職勧奨を行い、退職勧奨に応じないのであれば、Xらが所属する組合の要求に応じないとか、
配転をほのめかす等、退職を強要する行為を行いました。

このAの行った退職勧奨は、多数回かつ長期にわたる執拗なものであり、退職の勧めとして許される限界を超える。
Xらが退職勧奨に応じないのであれば、配転をほのめかす等、Xらの精神的自由を侵害し、Xらは相当な精神的苦痛を受けたと容易に考えられるので、
損害賠償責任を負う、と判決を下しました。

 

退職勧奨を行う際は、まず退職が必要となる理由を細かく説明し、対象となる従業員に十分に納得をしてもらって下さい。
退職をしてもらいたい思いが先行して高圧的な態度になることや、無理やり退職をさせようとする行為は、上記でも記載した通り、
違法性になる可能性もあるので十分に注意し、感情的になることは絶対に避けて下さい。

 

また、退職勧奨の対象となる従業員に対して、退職金を上乗せするとか、転職先が決まるまで休職期間を与え、その間の賃金を補填するなど、
従業員に退職してもらう上での納得感を高める方法をとることが、トラブル回避に繋がります。

退職合意に至った場合は、退職合意書を作成し、従業員が退職に合意した事、双方で話し合った内容や退職する際に儲けた条件等を立証できる記録を残すことも、
トラブルを回避する一つとなります。

 

退職勧奨を余儀なくされる理由は様々であると思いますが、トラブルが発生する事のないよう慎重に手続きを進めることが望まれます。

2019年08月29日 11:49

「特別休暇削減」に指導

厚生労働省は、今年4月施行の改正労働基準法により使用者に義務化した年次有給休暇の年間5日の時季指定に関連し、
不適切な行為が広がらないように注意喚起をしています。年間5日を年休として時季指定する一方で、所定休日や企業が独自に付与する有給の特別休暇を労働日に変更し、
実質上、従来からの労働日を維持しようとする働きが表面化し、労働基準監督署などに労働者の問い合わせが寄せられています。(労働新聞/令和元年8月12日 第3220号 引用)

 

今年の4月1日から、全ての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、
使用者が時季を指定して取得させることが必要となりました。年休を1日も取得しない労働者が少なくないなど、
長年にわたって年休取得率が5割前後で推移している実態を改善する狙いがあり、過労死の防止や労働者のワーク・ライフ・バランスを向上させ、
働き方改革を推進するための大きな柱と位置付けられています。

ところが、年間5日の時季指定義務を実質上無意味にする使用者の不適切行為が問題視され、厚労省は警戒を強めています。

具体的には、年5日の時季指定は法定通りに履行をしているが、例えば年間118日であった休日数を113日に減らす労働条件の変更をし、
5日分は年休消化に充てるとか、年休5日を時季指定する代わりに、会社が福利厚生の一環として独自に定めていた有給の特別休暇(誕生日休暇、忌引き休暇等)を廃止して、
有給に振り替えるケースもみられるようになりました。これでは実質的に年休の取得促進につながっておらず、今回の法改正の趣旨に沿わないとして、
「望ましくない」と指摘がされています。

 

小手先の対応で乗り切れるような時代ではなくなってきています。人材確保の観点からも、経営者は法の趣旨を理解した上で、
適切な運用ができるように労働環境を改善しつつ、利益が出せる経営方法を常に考え、実践していかなければ、生き残っていくことが難しくなるのではないかと感じています。

2019年08月16日 14:53

残業の許可制

残業時間削減の対策として、残業の許可制を導入している企業さんがほとんどではないでしょうか。
しかし、残業の許可制を導入したことを理由に、無許可で残業をした従業員に対して残業代を支払わないことが直ちに認められるわけではありません。

たとえ無許可で残業を行った従業員がいたとしても、実際に残業をした実績があり、会社がそのことを把握していれば、
許可の有無に関わらず時間外労働に対する割増賃金を払わなければいけません。

 

残業の許可制を運用する場合には、許可制に関する事項を就業規則に明示し、事前申請・許可・事後の確認、実際の残業時間を使用者、労働者双方で確認し、
記録に残すことを徹底する必要があります。

 

平成25年5月22日東京地裁判決(31・ヒロセ電機(残業代等請求)事件)では、就業規則に、時間外勤務を命じる場合には、
時間数及び理由を記載した会社所定の「時間外勤務命令書」に記名押印の上、事前に当該従業員に通知することを規程した上、実際の運用として、
①時間外勤務命令書に従業員の希望残業時間と時間外業務内容を記入させ、本人の希望を確認し、所属長は内容確認をし、残業を命じる

②従業員は時間外勤務終了後、時間外勤務命令書に時間外勤務に係る実労働時間を記入

③翌朝所属長が記入された実労働時間を確認し、本人の了承の下、前日の時間外労働時間を確定させる

④時間外労働時間の確定後、従業員が本人確認印を押印する

という手順が徹底されており、時間外労働時間が管理されていたと認められ、それ以上に会社に残っていた時間については残業をしていたものと認めない、
という会社側の主張が認められました。

 

平成17年3月30日東京高裁(神代学園ミューズ事件)では、
「労働者が使用者の明示の残業禁止命令に反して業務を行ったとしても、それを労働時間と解することは困難であり、
学院長は、繰り返し36協定が締結されるまで残業を禁止する旨の業務命令を発し、残務がある場合には役職者に引き継ぐようこの命令を徹底している
という事例において、この時間以降の残業を、使用者の指揮命令下にある労働時間と評価することはできない」
と判示して、残業禁止命令が出された後の従業員らの時間外労働に対する割増賃金の請求を棄却しました。

従業員に対して残業をしないよう具体的な命令を出すことを徹底していたことで、その有効性が認められました。

 

上記2例のように、残業の許可制や残業の禁止に有効性を持たせるためには、徹底した管理と制度の実施が最低限必要となってきます。

「未承認・無断で行った残業に対して賃金を支給しない」と就業規則に記載があったとしても、未承認の残業を黙認しているだけで、
勤怠記録には時間外労働時間がしっかりと記録されている場合等は、使用者側の管理不足とみなされます。


未払い残業代の請求で遡れる期間は現行2年前までとなっていますが、5年へ延長すべきという検討もなされています。
残業許可制を導入している企業さんは、今一度自社の就業規則や制度の運用が徹底されているかのご確認を。
2019年08月16日 14:26

解雇

解雇とは、労働契約を将来に向かって解約する使用者の一方的な意思表示による労働契約の解消のことを言います。

一定の期間又は一定の事業完了に必要な期間までを契約期間とする労働契約(有期契約)は、
他に特段の事情がない限り、契約期間が満了した場合は、使用者の解約の意思表示がなくとも自動的に契約終了となり、
解雇の問題は生じません。(ただし、有期契約が何度も更新されており、相当長期間にわたって労働契約が継続しており
、実質的には期間の定めがない労働契約と認められる場合は、解雇に関する規定が適用されます。)

 

労働基準法第20条において、「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては少なくとも30日前にその予告をしなければならい。
30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない」とされています。

 

例えば、7月31日を契約の終了日として解雇予告をするとします。

この場合、

①30日前である7月1日に解雇予告をした場合は、解雇予告手当の支払いはありません。

②7月15日に予告をした場合は、14日分以上の解雇予告手当を支払う必要があります。

(7月15日から契約終了日まで16日間あるので、30日に足りない14日分以上の支払いが必要となります。)

③7月31日に即日解雇(「本日をもって契約を終了します」等)を言い渡した場合は、30日分以上の解雇予告手当を支払う必要があります。

もし30日前の解雇予告をせず即時解雇をする場合は、使用者は解雇と同時に解雇予告手当を支払う必要があり、
支払いがない場合はその即時解雇は無効となります。

 

また、労働契約法第16条では、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、
その権利を濫用したものとして、無効とすると定めています。使用者が労働者を解雇するには、合理的な理由が必要で、
かつ、解雇をすることが社会一般的に相当な処置と認められなければ、使用者の権利濫用とされます。


この客観的合理的理由というものが認められる余地はかなり狭く考えられており、
一般的な感覚で解雇はやむを得ないと感じることであっても、使用者側が解雇を回避する努力をしなかった等の理由を挙げ、
解雇を無効と判断した判例も見られます。また、仮に解雇が無効であると判決が確定すれば、解雇期間中の賃金の支払いを命じられることになり、
使用者側の解雇における係争のリスクは非常に高いものであると考えられます。
 

リストラ等の整理解雇以外の解雇は、元を考えると、採用のミスや教育の至らなさにあるとも言えます。
何事もそうですが、円滑な事業継続のためには入り口と出口の強化は常に考えなければなりません。

2019年07月25日 16:21

労働条件通知書 雇用契約書

労働条件通知書とは、働く上での労働条件を記載した、労働者との契約を結ぶ際に交付する文書のことを言い、
労働基準法では、労働契約締結時にこの労働条件通知書を明示することが義務付けられています。

 

労働契約を結ぶ際に明示しなければならない事項もまた、労働基準法で定めれられています。
この明示する事項を整理して記載した文書が原則として「労働条件通知書」となりますが、
明示しなければいけない事項が網羅されていれば、「労働条件通知書」という形の文書でなくても構いません。

 

労働条件通知書に代替え・類似する書類として、「雇用契約書」があります。

労働条件通知書は、会社から労働者へ労働条件を明示した書面を一方的に通知することで足りるのに対し、
「雇用契約書」は、会社、労働者が互いに契約内容を確認して合意を得るための文書です。
労働条件通知書と違い、必ずしも書面にする義務はありませんが、一般的には労働条件を記載した雇用契約書を2部作成し、
会社、労働者双方の確認後、署名、押印をしてそれぞれで保管をします。

トラブル防止には、労働条件通知書よりも、雇用契約書の方が重要な役割を担っていますね。

 

労働条件で必ず明示しなければならない事項は下記の通りです。

〇労働契約期間、有期契約の場合は、契約の更新方法と更新基準

〇就業場所、就業内容

〇勤務時間(始業、終業、休憩)、残業の有無、交代制勤務(シフト制等)

〇休日、休暇

〇賃金の計算方法、支払い時期・方法、昇給に関する事項

〇退職に関する事項

 

今年2019年4月から労働基準法の施行規則が改正され、労働条件通知書は書面での通知以外に、
メール、FAX、SNSでの電子的な通知も可能となりました。

ただ注意をして頂きたいのは、電子的な通知については、

〇労働者が希望した場合

〇印刷等で、出力して書面を作成できるもの

〇労働者に直接送信をすること

上記の条件を満たす必要があり、一方的にメールを送付するだけでは通知義務を果たした事にはなりません。
「送った、届いていない」等のトラブル回避のために、電子交付の際には、労働者の電子交付希望の記録、
メールの到着確認も徹底しておくことが望ましいでしょう。

 

労働条件の明示は、雇用契約締結の際の義務的事項であり、必須事項の明示を怠った場合は、30万円以下の罰金が科されることとなります。
罰則の有無に関わらず、働く上でのトラブル回避の為にも、労働条件の通知は必ず行って頂くことをお勧めいたします。

2019年07月16日 10:55

就業規則

「会社のルールブック」とも呼ばれる、会社内で守らなければならない規則として明示化する「就業規則」について今回は記載していきます。

 

労働基準法において、「常時10人以上の労働者を抱える会社では、就業規則を作成しなければならない」と義務づけられています。
10人を超える従業員がいるのに作成がされていない・労働基準監督署へ届出ていない場合は、30万円以下の罰金が科されるとされています。
 

就業規則には、作成する場合、必ず記載しなければならない「絶対的必要記載事項」があります。

具体的には

1 始業及び終業の時間、休憩時間、休日、休暇ならびに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合の就業転換に関する事項(シフト制・交替勤務制のことです。)

2 賃金(賞与など、臨時の賃金等を除く)の決定、計算・支払い方法、賃金締日、支払時期並びに昇給に関する事項

3 退職(解雇事由を含む)に関する事項(退職手当の事項を除く)

上記の1~3が絶対的必要記載事項となり、労働時間、休日、休憩、賃金の支払時期等については、
労働基準法の基準を満たした記載が必要となります。(例:法定労働時間が労働基準法で8時間と定められているのに、
一日の労働時間が9時間となっている場合、9時間は無効となります。)

 

次に、「会社内に定めがある場合に必ず記載しなければならない」相対的必要記載事項を見ていきます。

1 退職手当に関する事項(対象者の範囲、退職手当の決定、計算方法、支払い方法・時期)

2 賞与等・最低賃金額に関する事項

3 食費・作業用品等を負担させる場合の事項

4 安全・衛生に関する事項

5 職業訓練に関する事項

6 災害補償・業務外の傷病扶助に関する事項

7 表彰・制裁に関する事項

8 上記の他、全労働者に適用される事項

以上の8項目は、社内で定めがない場合は記載をする必要なく、退職金や賞与に関しても、規則として定めることは義務ではありません。

 

注意して頂きたいのは、就業規則に定めた事項に関し変更をかける場合、それが労働者にとって有利に変更される場合はいいのですが、
一度定めた退職金や賞与を無くす等、労働者にとって不利益に変更される場合(不利益変更と言います)は、一定の条件を満たさない限り変更をすることが難しく、
また、トラブルの元となります。

 

従業員数が10人を超えていなければ就業規則を作成する必要がない、というわけではなく、10人未満であろうと従業員が在籍しているのであれば、
入社、退職に関する事項や、労働条件、賃金に関する社内ルールは、基準として予め定めておくに越したことはありませんし、
解雇や休職に関するトラブルを防ぐための対策材料の一つとなります。
助成金を申請するにあたっても、就業規則は自ずと必要になります。


厚生労働省でも「就業規則作成支援ツール」というwebサイトを作成しております。
こちらを利用すれば、作成上の注意点を確認しながら入力フォームに必要項目を入力してくだけで、簡単に作成を進めることができます。
(ただし、作成完了後はPDFでしかデータ出力ができず、サイト内の画面上でしか内容を編集することができません。)


就業規則の新規作成や、現在の規則の見直しのご相談がある方は、お気軽にお問い合わせください。
2019年06月22日 09:11

算定基礎届

社会保険料は、社会保険に加入している従業員各人の、毎月支払われる給与「報酬月額」から「標準報酬月額」「等級」を決定し、
その等級に応じた保険料に決定されます。この「標準報酬月額」は、年に1回見直しが行われます。

毎年4月~6月の3ヶ月間に支払われた給与の平均額に基づいて、標準報酬月額は決定されます。
この標準報酬月額を、7月1日~7月10日に年金事務所に届ける書類を「算定基礎届」と言います。

算定基礎届の提出により、その年の9月から1年間使用される標準報酬月額が決定され、保険料が改定されます。
標準報酬月額は50の等級に区分され、各都道府県が設定している等級ごとの社会保険料を負担することになります。
この保険料は、その年の9月分から翌年の8月分までの保険料として適用されます。

算定基礎届の対象者は、7月1日の時点で社会保険に加入している従業員です。
社会保険に加入していれば、休職中や育児休業などを取得している人も含みます。
そのなかで、下記に該当する従業員は、算定基礎届の対象となりません。
〇6月末までに退職した従業員
〇6月1日以降に社会保険に加入した従業員
〇7月に保険料の改定を行う従業員

標準報酬月額は、原則4月~6月の給与の総額を3で割って求めた「報酬月額」が、どの等級に当てはまるかによって決まります。
しかし、給与計算の対象となる労働日数(支払基礎日数)が17日未満の月は、標準報酬月額の計算から除外します。例外として、
〇4月~6月のどの月も支払基礎日数が17日未満の場合
 3ヵ月のうち、支払基礎日数が15日以上17日未満の月を1カ月として標準報酬月額を算出します。
 全ての月が15日未満である場合は、現在の標準報酬月額が引き続き使用されま す。
〇5月入社の場合
 5月と6月に支払われた給与をもとに算出します。
〇一時休業の場合
 休業中に支給される休業手当をもとに算出します。

標準報酬月額を決定する給与額の計算には、「通勤手当」「残業手当」を含めます。
そのため、4月~6月の間に残業手当が多く支払われると、標準報酬月額は高くなり、保険料の負担額は高くなります。
また、給与額に含めないものは下記の通りとなります。
〇解雇予告手当、退職手当
〇結婚祝金、災害見舞金、病気見舞金等
〇年金、恩恵、健康保険の傷病手当金、労災保険の休業補償給付
〇年3回までの支給の賞与
〇家賃、地代、預金利子、株主配当金等

算定基礎届の提出方法は、電子申請、郵送、窓口持参の3つがあります。

算定基礎届は、手続きや内容が煩雑ですが、保険料を決定する大切な届出となります。
短い期間内で作成する必要があるため、申請までの段取りを計画的に行うことが必要です。

申請方法に質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせ下さいませ。
2019年06月11日 08:33

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